会員登録

 BASCは2008年の5月の設立以降、全国各地での田んぼの生きもの調査活動を支援し、インストラクターやアシスタント講習会を開催して人材養成をしています。更に、国内に留まらず、韓国の生きもの調査活動の支援も続けています。ラムサール国際会議で水田決議に貢献をした映画「田んぼ」は、地球環境映画祭にノミネートされ注目を集めています。

 現在は新たな市民運動として「田んぼ市民運動」を展開しています。米を生産する経済合理性の視点だけで田んぼを見るのではなく、命を育む視点で田んぼを再認識し、生きものの命を育む農業を実践し支援しようという運動です。生産者と消費者という関係性から田んぼと田んぼの生きものを守る新たな共通市民という関係性を構築する運動です。

 更に、田んぼ市民運動を発展させ、現在は市民協働運動を展開しています。農村部の市民活動として「田んぼの生きもの調査」を展開していますが、都市部の市民が取り組んでいる地域防災とごみ減量の市民活動を結びつけ、それを市民協働運動と位置づけています。生きもの調査活動をしている地域の玄米を「防災玄米」として位置づけ、都市部の家庭で在庫します。在庫をしても日常的に家庭で消費をしますので在庫スペースをとりません。更に玄米は栄養価が高く長期防災食品としても有効です。私の地域では小型精米機を導入していますので精米もできます。更に地域内で薪と井戸水と炊飯釜を準備して炊き出し食事会をすれば、電気、ガス、水道等のライフラインや物流がストップしても困ることはありません。市民協働マルシェでは30kgの紙袋で引き取り、市民は自分の袋や容器を持参しますので、精米のビニールごみは発生しないのでごみ減量につながります。

 消費者は一般的に産地、銘柄、年産を見てお米を購入しますが、この市民協働マルシェは田んぼの生きもの調査活動の情報を見て購入します。つまりお米の商品価値を選択するのではなく、生産している地域の生きもの調査の取り組みに賛同して選択するので、結果的に取り組みをしている田んぼと農家を守ることにつながります。将に田んぼ市民運動で目指した経済合理性の視点ではない取り組みを市民協働運動として展開しているのです。

 現在は生きもの調査の感動を伝える「生きもの語り」運動を積極的に展開しています。生きものとの出会いの感動や生きものと日常の生活の係わりなどを広く伝える活動です。表現方法としては文章や詩、俳句、川柳などの文字で伝える方法や写真や絵などのように視覚で伝える方法があります。生きもの調査のカリキュラムの中に子どもたちのお絵書きと親の川柳づくりが入っています。子どもたちの川柳をとりまとめた「生きもの語りカルタ」も製作販売しています。これらの活動を地域で積み上げてゆくことにより地域独自の「生きもの風土記」や「生きもの歳時記」が出来上がってゆきます。

 BASCは農に根ざした地域の伝統文化を守り、総ての経済活動に優先する地球環境問題に取り組む農業を支援します。更に、田んぼの生きもの調査(市民調査)に参加することにより、これまでの人間中心の考え方から脱却し、生きものと一体となった地域社会の価値観を創造します。

BASCは、目的を共有化する市民、農業者(林業、漁業も含む)、生産法人、市民、市民団体、自然保護団体、地域活動家、教育活動家、環境NPO、行政、JA、学識者などがテーマ別に幅広く連携、協働していくネットワークの核となることを目指しています。更に、CSR活動を展開している民間企業と提携し、人と生きものに優しい農業と活動の輪を広げてゆきたいと思っています。

 環境問題、農業問題、食料問題、地域問題等に関心を持たれて活動をされている皆様には、是非、当センターにご入会いただき、今後の活動を共にしてゆきたいと思っています。趣旨及び活動にご賛同いただけた方は下記リンクのの入会申込書に記入のうえ、郵送、FAX、Mailにてお申し込みください。

理事長 石川 あき子